碁にもいろいろありますが、本質は同じです。
さて、いよいよ囲碁です。勝敗の判定方法以外は、囲碁もザル碁や純碁と基本的には同じです。
ザル碁と囲碁のルールの違いを確認しておきます。
「地」という言葉がここで初めて出てきました。
純碁との比較で使った5路盤の実戦例で考えます。
囲碁では、この白20まででお終いです。 黒も、もうこれ以上打つ必要はありません。 |
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ルールで出てきた「地」について、まだ何も説明していませんでした。 黒の地とは、黒石に囲まれた空点の集まりのことです。 白の地とは、白石に囲まれた空点の集まりのことです。 |
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そして、地を数える時は、それまでに取られている石を埋め戻してから数えます。 黒は地を4個取りました。 白は地を1個取りました。 地の多い方が勝ちですから、黒が3個勝ちました。 |
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これはザル碁での最後の手続きですが、黒は21から25を打つことで白石を3個得ます(白は22, 24, 26をパス)。 つまり、黒専用の空点と白専用の空点の、数の差だけ、白石を得たわけです。 そこに途中で取った石を加え、相手との多少を計算して勝敗を決めています。 これって、結局図4-11で、地の数を比べているのと同じ事ですよね。 |
念のため、数式を使って確認しておきましょう。その前に、いくつか数式用の言葉を作ります。
黒空点 : 黒が置くことができる点(白が置いても結局取られてしまう点) 白空点 : 白が置くことができる点(黒が置いても結局取られてしまう点) 黒除石 : 囲まれて盤から取り除かれた黒石(ザル碁ではパスのペナルティも含む) 白除石 : 囲まれて盤から取り除かれた白石(ザル碁ではパスのペナルティも含む) [ザル碁の計算] 黒の得点 = 黒空点 + 白除石 白の得点 = 白空点 + 黒除石 得点差 = 黒の得点 - 白の得点 = 黒空点 + 白除石 - 白空点 - 黒除石 = (黒空点 - 黒除石) - (白空点 - 白除石) [囲碁の計算] 黒の得点 = 黒空点 + 黒の眼 - 黒除石 白の得点 = 白空点 + 白の眼 - 白除石 得点差 =(黒空点 + 黒の眼 - 黒除石) - (白空点 + 白の眼 - 白除石)
と、この様になります。
ザル碁の得点差と、囲碁の得点差では、「眼の数」による影響はありますが、上の実戦例の様に眼の数が同じ時には効果が相殺されますので、結果に反映しません。
また、上の例では、パスによるペナルティの関係で、除石の数が影響を受け、ザル碁と囲碁の得点に食い違いがありますが、この際細かいことには目をつぶります。
つまり、細かいことはさておき、「ザル碁と囲碁の本質は同じ」だということです。
ここで扱った碁盤はとても狭かったので、ザル碁や純碁の最後の手続き(自分の空点を埋め尽くす作業)が大したことはありませんでした。
しかし、これが本格的な19路盤ともなると、結構大変な作業です。その大変で退屈な作業を省略して、終局時の勝敗判定を効率化したのが囲碁だといえます。
また、この方がよっぽど重要かもしれませんが、
の方が、同じ碁の仲間でも、より進化した姿と言えるのではないかと思います。
以上で入門講座を終わりますが、最後にこれだけは言いたい。
ポン碁を極める道は、ザル碁や純碁を極める道に直結しています。そして、ザル碁や純碁を極める道は、囲碁を極めようとする道と全く同じ道だと言えます。ポン碁は立派な碁の仲間です。大いに楽しんで頂きたいと思います。
入門講座で取り上げるには適当でないと思われるテーマとか、私の碁歴など、囲碁に関するコラムみたいなものを「勝手読み」コーナーにUPしていきます。宜しければそちらもお読み下さい。