3 中国式ルール

3.7 セキの地と一方ダメ

中国式ルールは石の存在権を争うことが基本であり、従って前回にも述べたように、セキの地も或は一方のみが打着可能な点も、一方のみが石を置き得る故に一方の得点となり得る点となる。従って第3-8図のab・・・の如き点は総て黒にとって1目の価値のある点であるのである。

第3-8図

日本式は慣習的にそれ等の点を地、或は得点とみなさないというたてまえできている。このためには活石とセキ石の定義を完全に行わなければならないのであるが、日本の慣習法ではそれが必ずしも充分行われていない。ここに大きな問題がある。

又日本式のルールの成文化に於いても、このセキの地や一方ダメを得点とするかしないかが、重要な分岐点になるのである。即ち伝統を重視して得点としない立場と、ルールの簡素化と中国流と一致させるためにも得点としようとする立場があるのである。新ルール試案IIは前者の、又試案Iは後者の立場に立つものである。