日本囲碁規約逐条解説 |
1989(平成元)年4月10日 |
II 日本囲碁規約(ルール)逐条解説
財団法人日本棋院
財団法人関西棋院
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第一条 |
〈解説〉 対局の範囲は、対局の再開をしないかぎり、対局者双方が続いて着手放棄(通称パス)した「対局の停止」までである。(詳しくは、第二、九、十条参照) | ||||
第二条 |
〈解説〉 1 交互着手は権利である。 2 着手放棄(パス)は、放棄者の対局停止宣言であり、続いて相手方もパスした場合は「対局の停止」となり、次の着手を行うことはできない。(第九条1項参照) | ||||
第三条 |
〈解説〉 1 盤上 専門棋士間のルールなので十九路盤とした。初心者間等の九路盤ほか、あるいは将来二十一路盤等を対局者間で合意の上使用することはもちろん可能である。 2 交点、空点、着点 参考図1の❶と置けるような点を「交点」といい、三百六十一ある。 石の置かれていない交点を「空点」といい、❶のように石が置かれた交点を「着点」という。 | ||||
参考図1 横路 1 2 3 4 5 6 7 8 910111213141516171819 1┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐ 2├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 3├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 4├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼❶┼┼┤ 5├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 6├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 7├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 縦 8├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 路 9├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 10├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 11├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 12├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 13├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 14├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 15├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 16├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 17├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 18├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ 19└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘ | |||||
3 第四条に合致しないため、着手できない空点 参考図2 ┌┬┬┬┬┬┬ ×●○┬┬┬○×●○┬┬○×○┬┬○× ├┼┼┼┼┼┼ ●○┼┼┼┼┼○○┼┼┼┼○┼┼┼┼○ ├┼┼┼┼┼┼ ○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ●●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ○○○┼●┼┼ ├┼┼┼○┼┼┼┼┼┼○○○┼┼┼┼┤ ├●○○●┼┼ ├┼┼○×○┼┼┼┼○●×●○┼┼┼┤ ●A●○●┼┼ ├┼┼┼○┼┼┼┼┼┼○○○┼┼┼┼┤ ○●○○●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ○○○┼●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ●●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼○●○┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼○●×●○┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼○●○┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ └┴┴┴┴┴┴ └┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘(注) 黒はAに着手しても空点を有することになるので、この場合は着手可能である。 | |||||
第四条 |
〈解説〉 盤上に存在できない石 参考図3の白石(注:白石は○、黒石は●)は、隣接した路上に空点がないので、盤上に存在できない。 参考図3 ○○●┬┬┬●○○●┬┬●○●┬┬●○ ○●┼┼┼┼┼●●┼┼┼┼●┼┼┼┼● ●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ●●┼┼┼┼┼●●┼┼┼┼┼●┼┼┼┤ ○○●┼┼┼●○○●┼┼┼●○●┼┼┤ ○○●┼┼┼┼●●┼┼┼┼┼●┼┼┼┤ ●●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤ ├┼┼┼┼●○●┼┼┼┼┼●○●┼┼┤ ├┼┼┼●○○○●┼┼┼┼●○●┼┼┤ ├┼┼┼┼●○○●┼┼┼┼●○●┼┼┤ ├┼┼┼┼┼●●┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ └┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘ | ||||
第五条 |
〈解説〉 取り上げられる石 参考図4 〈1〉〜〈5〉の黒1により、白石はその路上に隣接した空点がなくなるので盤上に存在できず、黒は白石のすべてを取りあげねばならない。取り上げた時点で着手完了となる。 | ||||
〈1〉 〈2〉 〈3〉 ┌┬┬┬┬┬ ○❶┬┬┬┬ ┌┬●○❶┬ ├┼┼┼┼┼ ●┼┼┼┼┼ ├┼┼●┼┼ ├┼┼●┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼●○❶┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼●┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ 〈4〉 〈5〉 〈6〉 ┌┬┬┬┬┬ ┌●○○❶┬ ❶△●┬┬┬ ├┼┼┼┼┼ ├●○●┼┼ △●┼┼┼┼ ├┼┼●┼┼ ├┼●┼┼┼ ●┼┼┼┼┼ ├┼●○●┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼●○●┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼❶┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ 〈7〉 〈8〉 ┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ┌○❶△●●●┬┬┬┬ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○●△△△△●○┼┼ ├┼┼○●●○┼┼ ├○○●●●●○┼┼┼ ├┼┼●△△●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼●△❶△●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼●△△△●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼●●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼(注) 〈6〉〜〈8〉 △を取り上げた時点で着手が完了し、空点が生じるので、第四条により黒1の着手は可能である。 | |||||
第六条 |
〈解説〉 1 交互に相手方の石一個を取り返し得る形 参考図5〈1〉 黒1で白△を取ることができるが、白もまた黒1を取り返し得る形である。
参考図5〈1〉 ❶△●┬┬┬┬┬ ○●●┼┼┼┼┼ ├○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼●○┼┼ ├┼┼●△❶○┼ ├┼┼┼●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ❶○┼┼┼┼┼┼ △●┼┼┼┼┼┼ ●●┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ └┴┴┴┴┴┴┴2 次の着手で取り返すことができない 参考図5 〈2〉 前図黒1の後、白は一回以上他の箇所に着手した後でなければ4の点に打って黒を取り返すことはできない。 この目的のための、他の箇所への着手を「劫立て」という。 3 「劫立て」をしないで、次の着手で取り返すと第十四条の反則負けとなる。 参考図5〈2〉 ●④●┬┬┬┬┬ ○●●┼┼┼┼┼ ├○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼●○┼┼ ├┼┼●④●○┼ ├┼┼┼●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ●○┼┼┼┼┼┼ ④●┼┼┼┼┼┼ ●●┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ 白2、黒3は他の箇所 └┴┴┴┴┴┴┴ | ||||
第七条 |
〈解説〉 1 相手方の着手により取られない「活き石」 参考図6 〈1〉〜〈4〉までのすべての黒白の石は「活き石」 (参考図6) 〈1〉 〈2〉 ○●┬●┬●○┬┬┬ ┌┬┬┬●○┬┬┬┬ ○●●●●●○┼┼┼ ●●●●●○┼┼┼┼ ○○○○○○○┼┼┼ ○○○○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 〈3〉 〈4〉 ┌┬●┬●○○┬┬┬ ┌○○○┬●○┬┬┬ ├●○●●●○○┼┼ ●●●●●●○┼┼┼ ●○○○○●●○┼┼ ○○○○○○○┼┼┼ ├●○┼○●●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●○┼○●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ○●●○○○●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○●●●●●○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○○○○○○┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
(参考図7) 〈1〉 〈2〉 〈3〉 ┌●○○┬┬ ●●○○┬┬┬ ┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ○○●○┼┼ ○┼●○┼┼┼ ├┼●●●●○┼┼ ●●●┼┼┼ ●●●┼┼┼┼ ├●○○┼●○┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├●○○●○┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├●●●○○┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
(参考図8) 〈1〉 〈3〉 ┌○○┬●○┬┬┬┬┬┬┬ ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬ ●○○●●○┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●●○○┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○○○┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼○○○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○●●○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○●┼●○○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○●●┼●┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 〈2〉 ├○┼○●●┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ┌┬●┬●┬●○┬┬┬┬┬ ├┼┼○┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○○●●●●○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼○○○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
第七条−2 |
〈解説〉 劫がらみの石の死活規定である。 1 同一の劫での取り返しはできない。 対局の停止とともに、劫の取り返しは停止となり、たとえ「両劫ゼキ」など無限の劫立てがあっても、それを利用して劫を取り返すことはできない。 | ||||
参考図9〈1〉 本劫の手入れ (参考図9) 〈1〉 ●○A●○┬┬ ├●●●○┼┼ ●●○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ | |||||
〈2〉 〈3〉 ●○A●○┬┬ ┌○③●○┬┬ ①●●●○┼┼ ○●●●○┼┼ ●●○○○┼┼ ●●○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ❷パス(同一の劫での取り返しはできない) | |||||
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参考図10〈1〉 一手ヨセ劫 (参考図10) 〈1〉 ●○A┬●○┬┬ ├●●●●○┼┼ ●●○○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
(3) 黒八子が「活き石」である理由は、〈2〉〜〈4〉の白1以下黒6による。黒4の劫取りは、黒2のパス後なので可。 〈2〉 〈3〉 〈4〉 ●○┬┬●○┬┬ ❹○③┬●○┬┬ ●○○❻●○┬┬ ①●●●●○┼┼ ○●●●●○┼┼ ├●●●●○┼┼ ●●○○○○┼┼ ●●○○○○┼┼ ●●○○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ❷パス ⑤パス | |||||
3 取り返す劫のそれぞれにつき、着手放棄が必要 参考図11〈1〉 「一手ヨセ劫」と「両劫ゼキ」の併存 | |||||
(参考図11) 〈1〉 ●○A┬●○┬┬┬ ├●●●●○┼┼┼ ●●○○○○┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●●●┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ●○┼○●┼┼┼┼ ├●○○●●┼┼┼ ●●●○○●┼┼┼ └●○┴○●┴┴┴ | |||||
(3)その理由は〈2〉〜〈4〉の白1から黒12による。〈3〉の黒4の新たな劫取りは、すでに黒2で同一の劫での着手放棄後なので可能。 〈2〉 〈3〉 〈4〉 ●○┬┬●○┬┬┬ ❹○③┬●○┬┬┬ ●○○8●○┬┬┬ ①●●●●●○┼┼ ○●●●●○┼┼┼ ├●●●●○┼┼┼ ●●○○○○┼┼┼ ●●○○○○┼┼┼ ●●○○○○┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●●●┼┼┼┼ ●●●●●┼┼┼┼ ●●●●●┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ●○┼○●┼┼┼┼ ●○┼○●┼┼┼┼ ⓬○┼○●┼┼┼┼ ├●○○●●┼┼┼ ⑤●○○●●┼┼┼ ○●○○●●┼┼┼ ●●●○○●┼┼┼ ●●●○○●┼┼┼ ●●●○○●┼┼┼ └●○┴○●┴┴┴ └●○❻○●┴┴┴ └●⑪●○●┴┴┴ ❷パス(上隅) ⑦パス(上隅) ⑨パス(下隅) ❿パス(下隅) | |||||
第八条 |
〈解説〉 「地」の基本的な考えは、“完全に独立した活き石の目が地であり、駄目を有することによって活き石となるセキ石は独立した活き石でないから、その目は地にならない”ということである。 | ||||
1 目と地 (参考図12) abcd●○┬┬ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼
2 セキ石と駄目
(参考図13) ○×○●●●○┬ ○○○●×●○┼ a●●●●○○┼ ●●●○○○┼┼ ○○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
両劫ゼキ (参考図14) ┌●b●○●┬┬ ●●●○○●┼┼ ○●○┼○●┼┼ a○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
3 「地」の確定のための駄目詰め (参考図15) ○○●●┬┬●○┬ ○●●┼●●●○┼ ○○●●○○○○┼ ○○a●○┼┼┼┼ ├○●●○┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ├○●●●┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
第九条−1 |
〈解説〉 着手の放棄(いわゆるパス)は対局停止宣言であるが、次いで相手方も着手放棄した場合は対局の停止となる。双方が着手放棄の意志表示をした時点が、対局の停止時点である。 | ||||
第九条−2 |
〈解説〉 1 「駄目詰め」、「手入れ」は必要着手 石の死活及び地を確認するためには、第八条により終局までに「駄目詰め」及び「手入れ」を行わなければならない。 2 対局停止後での「駄目詰め」、「手入れ」は規定外 「駄目詰め」及び「手入れ」を、対局者の合意により、対局停止後適宜に行う場合は、それらは規定上の着手に該当しない。 | ||||
第九条−3 |
〈解説〉 1 “対局の再開の要請” 対局の停止状態が解除され、競技再開となる。 | ||||
2 “相手方に先着する権利あり” | |||||
第十条−1 |
〈解説〉 地の中の相手方の死に石は第五条の方法で、すべてを囲んでから取り上げる必要はなく、着手せずにそのまま取り上げることができる。 1 終局後そのまま取り上げられる石 参考図16 白一子は黒の地の中の死に石なので、黒は終局後そのまま白一子を取り上げることができる。 (参考図16) ┌┬┬┬●○┬┬ ├┼┼○●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼
2 終局後そのまま取り上げられない石 (参考図17) ┌●○▲○●┬ ●┼○▲○●┼ ○○○a○●┼ ●●○○○●┼ ├●●●●●┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ | ||||
第十条−2 |
〈解説〉 ハマが相手方の地を上回る場合は、上まわったハマを自分の地の目数に加算して計算する。 | ||||
第十条−3 |
〈解説〉 最初から打ち直すなど、再確認することが義務であって、再確認を拒絶することはできない。 | ||||
第十条−4 |
〈解説〉 たとえば、“「取り石」の一部が発見された”あるいは連続着手、劫立てをしない劫の取り返しなど、違反着手が棋譜で発見された(勝敗確認前であれば、違反着手はその時点で負け……第十四条)などの事実があっても、勝敗確認後はその事実を主張して勝敗を変えることはできない。 以上、第一条、二条、九条、十条を図示すると下の通りとなる。 | ||||
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第十一条 |
〈解説〉「中押勝」--ちゅうおしがち。 | ||||
第十二条 |
〈解説〉 1 同一局面反復の事例 三劫以上、循環劫、長生などで生じうる。 (参考図18) ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬ ●●●●●●●┼┼┼ ○○○○○○●┼┼┼ ├○❶○●○●┼┼┼(三劫) ○●○●┼●○┼┼┼ ●●●●●●○┼┼┼ ○○○○○○○┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬ ●●●●●●●●●┼ ○○○○○○○○●┼ ├○❶┼○●●○●┼(循環劫) ○●○○●┼┼●○┼ ●●●●●●●●○┼ ○○○○○○○○○┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ┌○❶●┬○●┬┬┬ ●○○○●●○○┼┼ ●●●●●○┼┼┼┼(長生) ○○○○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼2 “双方が同意したときに無勝負” 反復した回数の確認の困難さを考え、双方が同意した時点で無勝負とする。 | ||||
第十三条−1 |
〈解説〉 双方が着手放棄後有効着手を発見し、相手方に先着されると負けになる場合などで、ともに対局の再開も要請せず、終局についても合意しないときは両負けとなる。 (参考図19) 〈1〉 〈2〉 ┌┬┬●○┬┬┬┬ ┌●○┬a┬○●┬ ├a●●○┼┼┼┼ ├●○┼┼○○●┼ ├●┼●○┼┼┼┼ ├●○○○○●●┼ ●●●○○┼┼┼┼ ├●●●●●┼┼┼ ○○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼
参考図19 〈1〉、〈2〉の状態で「対局の停止」となった後、双方がともにaが有効着手であることを発見し、相手方に先着されると負けになるため、ともに対局の再開を要請せず、終局についても合意しない場合は、両負けとなる。 | ||||
第十三条−2 |
〈解説〉 元の着点に石を戻すことを対局者が合意できないとき、あるいは元の着点にすでに石が存在、または存在できない石になるなど、規約上元へ戻すことが不可能は場合は、両対局者に責任ありという事で両負けとなる。 | ||||
第十四条 |
〈解説〉 反則着手があった場合は、勝敗確認前であればいかなる場合も、反則着手時点で負けとなる。 (注)勝敗確認後に発見された場合は、第十条--4により勝敗はかわらない。 | ||||
死活確認例 | III 死活確認例 以下の死活例の「活き死に」の判定は、例図の状態で「対局の停止」となり、死活確認した場合の判定結果であって、終局前に実戦で解決することを妨げるものでない。 | ||||
死活例1 |
1 第七条第1項関係 死活例1 「取らず三目」 黒の四子、白の一子はともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。 a●●○┬ ○●●○┼ 死活例1 ●○○○┼ ●●●┼┼ ├┼┼┼┼
(1) 黒四子の「活き石」の理由 1図 2図 ①●●○┬ ○┬┬○┬ ○●●○┼ ○❷┼○┼ ●○○○┼ ●○○○┼ ●●●┼┼ ●●●┼┼ ├┼┼┼┼ ├┼┼┼┼ | ||||
3図 4図 5図 ❶●●○┬ ●●●○┬ ❺④⑥○┬ ○●●○┼ ②●●○┼ ○❸┼○┼ ●○○○┼ ●○○○┼ ●○○○┼ ●●●┼┼ ●●●┼┼ ●●●┼┼ ├┼┼┼┼ ├┼┼┼┼ ├┼┼┼┼ | |||||
死活例2 | 死活例2 手入れ不要 黒の二子、白の八子はともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。黒はaに打ち込こむ手入れ不要である。 黒二子の「活き石」の理由1図、黒二子は取られるが、取られない石2、4が生じうる。 死活例2 1図 ┌●○┬○●┬┬ ③●○❹○●┬┬ ●┼○a○●┼┼ ●①○❷○●┼┼ ○○○○●●┼┼ ○○○○●●┼┼ ●●●●┼┼┼┼ ●●●●┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例3 |
死活例3 「ハネゼキ」 黒白ともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。 死活例3 ●●●┬○●○┬ ○○○○○●○┼ ●●●●┼●○┼ ○○○●●●○┼ ├●●●○○○┼ ●○○○○┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ 1図、2図、3図は黒石が「活き石」である理由。4図、5図は白石が「活き石」である理由。 1図 2図 3図 ●●●┬○●○┬ ●●●┬○●○┬ ●●●┬○●○┬ ○○○○○●○┼ ○○○○○●○┼ ○○○○○●○┼ ●●●●┼●○┼ ●●●●┼●○┼ ●●●●❹●○┼ ○○○●●●○┼ ○○○●●●○┼ ├┼┼●●●○┼ ①●●●○○○┼ ○●●●○○○┼ ③●●●○○○┼ ●○○○○┼┼┼ ❷○○○○┼┼┼ ●○○○○┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ 4図 5図 ●●●┬○●○┬ ●●●┬○●○┬ ○○○○○●○┼ ○○○○○●○┼ ●●●●┼●○┼ ●●●●┼●○┼ ○○○●●●○┼ ├②┼●●●○┼ ❶●●●○○○┼ ●●●●○○○┼ ●○○○○┼┼┼ ●○○○○┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ○○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例4 |
死活例4 黒白ともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。 死活例4 ┌●┬┬●●●○●┬ ●●○○○○○○●┼ ├○●●●●●●●┼ ├○●┼┼┼┼┼┼┼ ●○●┼┼┼┼┼┼┼ ●○●┼┼┼┼┼┼┼ ●○●┼┼┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例5 | 死活例5 黒九子、白四子はともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。 死活例5 ┌○●●┬○●┬ ●●○●┼○●┼ ●●○●●○●┼ ○○○○○●●┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例6 | 死活例6 長生がらみ 長生になる寸前の形であるが、白がaに手入れすると半目負けのケースで、また黒がaに打つ
負となり、ともに打たない場合である。 死活例6 ┌○a●┬○●┬┬○┬ ●○○○●●○○○○┼ ●●●●●○┼┼┼┼┼ ○○○○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例7−1 |
2 第七条第1項、第2項関係 死活例7−1 ●●●┬○●┬┬ ├○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼1図、2図は白七子が「死に石」である理由。 1図 2図 ●●●②○●┬┬ ④❸❼○○●┬┬ ❶○○○○●┼┼ ❺○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ⑥パス | ||||
死活例7−2 |
死活例7−2 「隅の曲り四目」と「万年劫」の併存 死活例 7-2 ●●●┬○●┬┬ ├○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ○┬○┬●○┬┬ ●○○┼●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼1図、2図、3図は白七子が「死に石」である理由。 1図 2図 3図 ●●●②○●┬┬ ④❸┬○○●┬┬ ┌●❾○○●┬┬ ❶○○○○●┼┼ ❺○○○○●┼┼ ●○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ○○●●●●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼⑧パス ○┬○┬●○┬┬ ○❼○┬●○┬┬ ┌●○⓫●○┬┬ ●○○┼●○┼┼ ●○○⑥●○┼┼ ●○○○●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ○○○○○○┼┼ ○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼⑩パス | ||||
死活例8 |
死活例8 「眼あり眼なし三劫」 黒九子は「死に石」で白十子は「活き石」。 死活例8 ┌┬┬┬┬┬┬ ○○┼┼┼┼┼ ●○┼┼┼┼┼ ├●○○○┼┼ ●●●●○┼┼ ○●┼●○┼┼ ├○●○●┼┼ ○○○○●┼┼ ├○●●●┼┼ ○○●┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼1図は黒九子が「死に石」である理由。 1図 ┌┬┬┬┬┬┬ ○○┼┼┼┼┼ ●○┼┼┼┼┼ ①●○○○┼┼ ●●●●○┼┼ ○●③●○┼┼ ❷○●○●┼┼ ○○○○●┼┼ ├○●●●┼┼ ○○●┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼ 黒❹パス ├┼┼┼┼┼┼ 白⑤九子取り上げる | ||||
死活例9 |
死活例9 本劫の手入れ 死活例9 ●○a●○┬┬ ├●●●○┼┼ ●●○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼1図は黒七子が「死に石」である理由。 1図 ●○③●○┬┬ ①●●●○┼┼ ●●○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ❷パス | ||||
死活例10 |
死活例10 一手ヨセ劫手入れ不要 死活例10 ●○a┬●○┬┬ ├●●●●○┼┼ ●●○○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼1図は黒八子が「活き石」である理由。 1図 ❹○③❻●○┬┬ ①●●●●○┼┼ ●●○○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ❷パス ├┼┼┼┼┼┼┼ ⑤パス | ||||
死活例11 |
死活例11 「両劫に仮生一」 両図が併存している場合でも、上の白七子は「死に石」であり、下の黒石、白石は「両劫ゼキ」である。 死活例11 ┌●○┬○┬○●┬┬┬┬ ├●●○○○○●┼┼┼┼ ├┼●●●●●●┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ┌○●┬●┬●○┬○●┬ ├○●●●●○○○○●┼ ├○○○●○┼○●●●┼ ├┼┼○●●○○●┼┼┼ ├┼┼○○○●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼1図は上の白七子が「死に石」である理由。 1図 ┌●○❶○❺○●┬┬┬┬ ├●●○○○○●┼┼┼┼ ├┼●●●●●●┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ┌○●┬●②●○┬○●┬ ├○●●●●○○○○●┼ ├○○○●○❸○●●●┼ ├┼┼○●●○○●┼┼┼ ├┼┼○○○●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ④パス ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ⑥パス ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ❼パス | ||||
死活例12 |
死活例12「万年劫」 黒白ともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。 死活例12 ○┬○┬●○┬┬ ●○○┼●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼1図は黒石が「活き石」である理由。 2図は白石が「活き石」である理由。 1図 2図 ○❷○❹●○┬┬ ○❶○⑥●○┬┬ ●○○①●○┼┼ ●○○❸●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ●●●●●○┼┼ ○○○○○○┼┼ ○○○○○○┼┼ ②パス ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ④(1の左) ├┼┼┼┼┼┼┼ ❸パス ├┼┼┼┼┼┼┼ ❺パス | ||||
死活例13 |
死活例13 死活例13 ●●┬●○●┬ ├○●┼○●┼ ○○○○○●┼ ●●●●●●┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼1図、2図、3図は白石が「活き石」である理由。 1図 2図 3図 ●●②●○●┬ ┌❸○●○●┬ ⑥●⑧●○●┬ ❶○●┼○●┼ ├○●┼○●┼ ❺○●⑩○●┼ ○○○○○●┼ ○○○○○●┼ ○○○○○●┼ ●●●●●●┼ ●●●●●●┼ ●●●●●●┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ④パス ❼パス ❾パス | ||||
死活例14 |
死活例14 死活例14 ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼ ●●○┼┼┼┼┼┼ ├●○┼┼┼┼┼┼ a●○┼┼┼┼┼┼ ●●○┼┼┼┼┼┼ ├●○┼┼┼┼┼┼ ○●○┼┼┼┼┼┼ ├○●┼┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼ ├○●┼┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼ └┴┴┴┴┴┴┴┴ | ||||
死活例15 |
死活例15 死活例15 ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○○○┼┼┼┼┼ ○●●●●●┼┼┼ ●┼┼┼┼●┼┼┼ ├●┼┼┼●┼┼┼ ○●┼┼┼●┼┼┼ b○●┼┼●┼┼┼ ○●●┼┼●┼┼┼ c○●●●●┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼ ●○a○●┼┼┼┼ ●●●○●┴┴┴┴(注)白に劫立てが少なく、白aに打って劫にすると負けになるので着手せず、一方、黒がb,cに着手して白石を取りに行くと二目損するので、着手しない場合である。 | ||||
死活例16 |
死活例16 死活例16 ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼ ├○●●●┼┼┼┼ ○○○○●●●○┼ ●○┼○○○●○┼ ├●○●●●○○┼ ●●●●┼●○┼┼ ○○○●●●○┼┼ ├○●○○○○┼┼ ○○●●●●●┼┼ ├○●┼┼┼┼┼┼ ○●┼┼┼┼┼┼┼ ○●●┼┼┼┼┼┼ └○●┴┴┴┴┴┴ | ||||
死活例17 |
死活例17 死活例17 ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼┼┼ ├○●●●┼┼┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼┼┼ ●○┼○●○○○○┼┼ ├●○●○○●●○┼┼ ●●●●●●┼●○┼┼ ○○○●○●●●○┼┼ ├○●○○○○○○●┼ ●○●●●●●●●●┼ ●○○○●●┼┼┼┼┼ ●┴○┴○●┴┴┴┴┴ | ||||
死活例18 |
死活例18 死活例18 ┌○┬●○●○┬┬┬ ○●●●○●○○┼┼ ├●○○○●●○○┼ ●●○○┼○●●○┼ ○○○┼○●┼●○┼ ●●○○●┼●●○┼ ├●●○○●●○┼┼ ├┼●●●○○○┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例19 |
死活例19 死活例19 ●┬○┬○┬●○┬┬ ●○○○●●●○┼┼ ●○●●○┼●○┼┼ ├○●○○●●○┼┼ ○○●●●●○○┼┼ ●●○○○○○┼┼┼ ├●●●┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例20 |
死活例20 死活例20 ●┬○┬○┬●○┬┬ ●○○○●●●○┼┼ ●○●●○○●○┼┼ ├○●┼○○●○┼┼ ○○●●●●●○┼┼ ●●○○○○○○┼┼ ├●●●┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例21 |
死活例21 死活例21 ●┬○┬○┬●○┬┬┬ ●○○○●●●○○┼┼ ●○●●○○●●○┼┼ ├○●┼○○○●○┼┼ ○○●●●●●●○┼┼ ●●○○○○○○○┼┼ ├●●●┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例22 |
死活例22 死活例22 ○┬●┬○┬○┬○●┬┬ ○○●●●○○○○●┼┼ ●●●○○●●●●●┼┼ ○○○○┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例23 |
死活例23 死活例23 a○┬○○●┬○●┬┬┬ ○●○┼○●┼○●●┼┼ ├●●○○●●●○●┼┼ ●┼●●●○○○○●┼┼ ○○●○○┼┼┼┼┼┼┼ ○●●○┼┼┼┼┼┼┼┼ ●●○○┼┼┼┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
死活例24 |
死活例24 「地」の確定のための駄目詰め−−二段劫 死活例24 b△●●┬┬●○┬┬ □●●┼●●●○┼┼ c○●●○○○○┼┼ ○○a●○┼┼┼┼┼ ├○●●○┼┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼┼ ├○●●●┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
(1)図の状態では、黒白ともに駄目aを有する「活き石」なので「セキ石」となってしまい、黒白の目は地にならない。黒が目を地にするためにはaへの着手が必要。 | |||||
死活例25 |
死活例25 「両劫ゼキ」 (1)黒六子と白十二子は「駄目」a、bを有するので、第八条により「セキ石」。 (2)a、bが「駄目」である理由は次による。 ・劫の黒白各一子は、取られても後に新たに黒石ないし白石を生じうるが、それらは「取られない石」に該当しないので「死に石」。 ・a、bは一方のみの石で囲んだ空点であるが、「活き石」と「死に石」で囲んだ空点なので、第八条により「目」でなく「駄目」である。 死活例25 ┌●b●○●┬┬ ●●●○○●┼┼ ○●○┼○●┼┼ a○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
(3)「死に石」である黒白各一子が終局後に取り上げられない理由は次による。 | |||||
改定の概要 |
IV 日本囲碁規約改定の概要(ご参考) (眼あり眼なし三劫) 1図 ┌○●┬●○┬○┬○●┬ ┌○●①●○❷○┬○●┬ ├○○●●●○○○○●┼ ├○○●●●○○○○●┼ ├┼┼○●┼●○●●●┼ ├┼┼○●③●○●●●┼ ├┼┼○●●○○●┼┼┼ ├┼┼○●●○○●┼┼┼ ├┼┼○○○●●●┼┼┼ ├┼┼○○○●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ ・新規約では第七条2項により1図の通り黒死となる。 黒4 パス(パス後でないと取り返せない)。 白5 黒八子取り上げる。 2図はこのままで終局となれば、白は第七条2項により「死に石」。白は劫材が多くてもaに手入れ要。(結論の明確化) 2図 ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼ ●●○┼┼┼┼ ├●○┼┼┼┼ a●○┼┼┼┼ ●●○┼┼┼┼ ├●○┼┼┼┼ ○●○┼┼┼┼ ├○●┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼ ├○●┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼ └┴┴┴┴┴┴ (2)「取らず三目」(結論が変わる) 1図はこのままで終局となれば、第七条1項により白の一子も黒の四子もともに「活き石」で「セキ石」。 1図 a●●○┬┬ ○●●○┼┼ ●○○○┼┼ ●●●┼┼┼ ├┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼・現規約では判例(2)により、そのまま終局すれば白地3目と計算する。 ・新規約では1図aに黒白どちらから打っても、切りあるいは打って返しにより、新たに相手方に取られない石を生じるから、黒白ともに「活き石」で、かつaに駄目を有するので、「セキ石」である。 ・ただし、終局前に白黒どちらからでも1図aに打って実戦で解決することができる。 (3)対局停止後、双方が対局の再開を要請しない場合(明確化) 1図 ┌┬┬●○┬┬ ├a●●○┼┼ ├●┼●○┼┼ ●●●○○┼┼ ○○○○┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼1図の状態で「対局の停止」(双方が連続して着手放棄)となった後、ともにaが有効着手であることを発見し、相手に先着されると負けになるため、ともに対局の再開を要請せず、終局についても合意しない場合は、両負けとなる。 ・現規約では規定がなく、先着権争いが生ずる。 ・新規約では第九条3項で対局の再開を要請した方の相手方に先着権があることを明記するとともに、第十三条1項で先着権の関係でともに対局再開の要請もせず、終局についても合意しない時は両負けとした。 (4)隅の曲り四目(根拠の理論化) 1図は第七条第2項により白は「死に石」。 ・現規約では判例(1)で他の部分に関係せず死としているが、他に「両劫ゼキ」などがある場合理論的な説明困難。 ・新規約では次の通り理論化された。 1図 ●●●┬○●┬┬ ├○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ 2図 ●●●②○●┬┬ 黒1と打ち白②と四子取る。 ❶○○○○●┼┼ ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ 3図 ④❸❼○○●┬┬ 白6パス(すぐに取り返せない)。 ❺○○○○●┼┼ 黒7と白八子を取り上げる。 ○○●●●●┼┼ ●●●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | ||||
(5)「本劫手入れ要」と「一手ヨセ劫手入れ不要」(根拠の理論化) 1図 2図 ●○a●○┬┬ ●○┬┬●○┬┬ ├●●●○┼┼ ├●●●●○┼┼ ●●○○○┼┼ ●●○○○○┼┼ ○○○┼┼┼┼ ○○○┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ | |||||
(6)「ダメ詰め」、「手入れ」の交互着手原則(根拠の明確化) 1図 b△●●┬┬●○┬┬ □●●┼●●●○┼┼ c○●●○○○○┼┼ ○○a●○┼┼┼┼┼ ├○●●○┼┼┼┼┼ ○○○○●┼┼┼┼┼ ├○●●●┼┼┼┼┼ ○○●┼┼┼┼┼┼┼ ●●●┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼・1図の状態では、黒白ともにダメaを有する「活き石」なので「セキ石」となってしまい、黒白の目は「地」にならない。黒が目を「地」に、するためには、aへの着手が必要。 ・b、cの空点については、「両劫ゼキ」がある場合に白はb、cを劫で頑張ることができるが、第七条により白△は「死に石」、白□は「活き石」である。したがってbは「ダメ」。cは「目」となる。 ・白石はaのダメを詰めてもbのダメを有するのでセキ石であり、白の2点を地にするには、さらにb、cへの着手が必要。 (7)「変則のセキ石」(根拠の理論化) 1図はこのままで「セキ石」であり、黒はaに打ちこむ手入れ不要である。・現規約でも第三十二条附図第2図2により「セキ石」となっているが、黒二子の死活及び黒aの手入れ要否については明確でない。 1図 2図 ┌●○┬○●┬┬ ③●○❹○●┬┬ ●┼○a○●┼┼ ●①○❷○●┼┼ ○○○○●●┼┼ ○○○○●●┼┼ ●●●●┼┼┼┼ ●●●●┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼・ 新規約では次の通り明確化された。 2図 (8)対局中の盤上の石の移動 ・現規約ではともに合意すればそのままとめおいての継続も認め、合意できなければ無勝負としている。(第六十一条)・新規約では、必ず石を元に戻して続行することとし、合意できない場合は「両負け」とした。(第十三条2項) (注)棋譜作成、故意の移動防止のため。 (注)元の着点に既に石が存在、あるいは、いわゆる自殺着手になる場合も合意できない場合に含む。 (9)違反着手 ・現規約では、相手方が同意した場合は違反着手を取り消し外へ着手すること、あるいは着手が進行した場合はそのままの継続を認めている。(第六十条)・新規約では、最近の慣例を追認して、反則時点にさかのぼって負けとした。(第十四条) (注)勝敗確認後は不変。(第十条4項) 以上 |
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