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同格と修飾語

同じ物事を指し示す言葉を併記する表現があるが、微妙に使い方が異なることがある。

apozicio 同格:同じ物事を言葉を変えて並べる

同格は格が一致する。

同格は、nome、tio estas などの語句を加えることができる。(A つまり B)

不定詞やke節(ĉu節)は同格的な表現をすることがある。

不定詞や節は格語尾を持たないので、格が一致するということはない。その意味では正確には同格と呼べないかもしれない。自分は同格と理解することで文の構造が非常に理解しやすいのだが、文法解釈上「同格」と見做すという説明がされているのを見たことはない。

nominacio 指名語*:上位概念の語を前置した後に具体的名詞を併記する表現

指名語は、関係節もしくは分詞によってされたものの省略形であるから、kiu nomiĝas, kiu estas nomata, nomata(n) などの語句を挿入することができる。(B といわれる A)

指名語を使った表現では格が一致しない。

*「指名語」は nominacio の訳として使った。Lernu! という多言語によるエスペラント学習サイトの文法講座で使われているエスペラントの文法用語である。英語版は predicative nominative と、日本語版は「修飾名詞」と訳されている。エスペラントでは名詞があたかも形容詞のように名詞を修飾することは文法的に誤りだが、指名語の出来上がった形は結果的に名詞が名詞を修飾する形になっている。「修飾名詞」の方が適切かもしれない。

同格・指名語と修飾語

エスペラント的には、同格も指名語も後置される語句を指すようだ。つまり後ろに置かれた語句が前の語句の意味をよりはっきりさせている。

https://lernu.net/eo/gramatiko/apozicio
Apozicio estas postmetita klariga revortigo de frazparto.

同格は、文法的には修飾語ではなく、前置された語句と同じ文の役割を果たしている、つまり例えば同じ物事を指す主語が2つ、目的語が2つあるといった構造と捉える。指名語は、PIV によれば epiteto と呼ばれる修飾語に属すようだ。epiteto とは前置詞句などの形ではなく単語の形で何らかの語を直接修飾するものを指すようだ。ただし副詞について言えば、動詞を修飾する副詞は補語 komplemento もしくは状況語 adjekto であって epiteto には含まれない。不定詞・形容詞・他の副詞を修飾する副詞は epiteto に属すようだ。

epiteto

動詞(不定詞は含まない)以外を修飾する前置詞句、対格、不定詞(句)は suplemento と呼ばれる。この際、対格・不定詞(句)は同じ意味を前置詞句に置き換えることが可能である。PAG(Plena Analiza Gramatiko)は前置詞句に置き換えることのできる、もしくは前置詞との合成による形容詞や副詞も suplemento としているようだ。(§25, p.55)

Plena Analiza Gramatiko §25, p.55

Laŭ la formo, la suplemento estas plejofte enkondukata de prepozicio, kiu precizigas la rilaton inter ĝi kaj la determinato (amo al virinoj, gardeno antaŭ domo), do la regula formo de la suplemento estas prepozitiva. Tamen, oni povas distingi ankoraŭ suplementon akuzativan (longa tri metrojn), infinitivan (kapablo paroli), kaj eĉ adjektivan (antaudoma ĝardeno) kaj adverban (Parize eleganta); sed tiuj estas ĉiam transformeblaj en prepozitivojn (longa je tri metroj, kapablo de paroo, ĝardeno antaŭ domo, eleganta laŭ Parizo). Kontraiie, la vera epiteto ne toleras transformon: blanka (domo) aŭ tre (bone) ne estas esprimeblaj prepozitive.

形の上から suplemento はほとんどの場合前置詞によって導かれ、修飾語と被修飾語の関係をより詳しく説明する(amo al virinoj, gardeno antaŭ domo)、したがって基本的な suplemento の形は前置詞句(?)(前置詞句化できる... -iv- は能動的可能を表す接尾辞?)である。しかし体格(longa tri metrojn)や不定詞(kapablo paroli)、あるいは形容詞(antaŭdoma ĝardeno)や副詞(Parize eleganta)の場合さえある。しかしそれらは常に前置詞句に変形することができる(longa je tri metroj, kapablo de parolo, ĝardeno antaŭ domo, eleganta laŭ Parizo)。本当の epiteto は変形できない。blanka (domo) aŭ tre (bone) は前置詞句で表現できない。

suplemento

したがって名詞と同格となる不定詞(句)や ke 節も単語の形ではなく名詞の内容を説明しているので、エスペラント的には suplemento に属すと言えるのではないだろうか。Lernu! の文法講座では、

- https://lernu.net/gramatiko/nerekta_parolo
Nerekta parolo ankaŭ aperas kiel suplemento de vortoj kiel penso, decido, demando, timo k.t.p.
間接話法の ke 節は 「penso, decido, demando, timo などの名詞の suplemento としても文中に現れる
- https://lernu.net/gramatiko/verboj
Infinitivo povas esti postmetita suplemento de substantivo aŭ adjektivo (plej ofte aga)
不定詞は名詞もしくは形容詞に後置される suplemento であり得る

と書かれている。


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