1. Qitailang's HP
  2. Esperanto

不定詞

エスペラントの不定詞には多用な使われ方があるようなので、自分なりにまとめてみた。誤りもあるかもしれない。

1.名詞的用法

主語として 補語として 目的語として 前置詞の後続語として

すべての前置詞に使われる訳ではなく、実際には por、anstataŭ、sen、krom の4つに使われるとされている。

同格

veturi や fari は直前の名詞の内容を具体的に説明しているように見える。そしてコチラの学習ページではこのような使い方は抽象名詞に限って使われると意味論的に説明されている。つまり、deziro veturi al Parizo とは言えるが、trajno veturi al Parizo とは言えないといったような説明の仕方である。しかしこの説明では、なぜ抽象名詞しか使えないかよく分からない。私には同格の名詞(相当)句と捉えるとよりくっきりしてくるように思われる。

Ŝi havas deziron veturi al Parizo = Ŝi havas deziron ke ŝi veturos al Parizo

は、deziron という名詞と、ke ŝi veturos al Parizo という名詞(相当)句を併記したのと同じ構造である。もし名詞の内容の説明であれば、

*Tio estas trajno veturi al Parizo* = Tio estas trajno, kiu veturas al Parizo

と、関係詞節が形容詞的に trajno を説明している(trajno をにかかる)構造になる。ここらあたりに、同格なのか説明なのかを理解する鍵があり、抽象名詞しか使えないという意味論的説明より納得がいくと思われるのだ。

よく使われる抽象名詞:

bezono, devo, eblo, emo, espero, fiero, forto, inklino, intenco, klopodo, komisio, kompetento, konsilo, kuraĝo, neceso, nepovo, okazo, peno, povo, promeso, propono, sopiro, volo

英語では不定詞を下のように使うことができるが、エスペラントでは使えないので注意が必要である。下の文は ke 節を使って言い換えることができないことで確認できる。

I have no one to help me. 私には助けてくれる人がいない
= M havas neniun kiu helpos min.

I have some homework to do today. 私には今日やるべき宿題がある
= Mi havas kelkajn taskojn kiujn mi devas fari hodiaŭ.

He has some friends to speak in english. 彼は英語でしゃべることのできる友人が数人いる。
= Li havas kelkajn amikojn kun kiuj parolas en la angla.

2.説明的用法

名詞の説明(por の省略)

PMEG より

Kiam I-verbo rekte priskribas O-vorton, la senco estas ofte tre proksima al intencita ago. Tial oni ofte uzas por antaŭ la I-verbo: permeso por eniri, eblo por fari ion, tempo por skribi, maniero por rigardi. Ĉe iuj O-vortoj oni pli ofte uzas solan I-verbon, dum ĉe aliaj oni preferas uzi por + I-verbon. Ekzemple oni uzas tempo/momento fari ion kaj tempo/momento por fari ion sen signifodiferenco, sed oni uzas nur loko/spaco por fari ion, neniam *loko/spaco fari ion*

不定詞が直接名詞を説明するとき、その行為は意図したものの意味に極めて近い。そのため普通は permeso por eniri, eblo por fari ion, tempo por skribi, maniero por rigardi のように不定詞の前に por を挿入する。なにがしかの名詞においては、por を使わず単独で不定詞を使うことの方が多い。例えば、tempo/momento fari ion と tempo/momento por fari を同じ意味で使う。しかし、loko/spaco por fari ion とは言うが, neniam *loko/spaco fari ion* とは言わない。(意訳)

http://bertilow.com/pmeg/gramatiko/i-verboj/rekta_priskribo.html

形容詞の補足説明

動詞の補足説明

英語の助動詞に相当する動詞の補足説明

行為や状態を表す動詞の補足説明

意図や様子を表す動詞の補足説明

iri, veni など移動を表す動詞の補足説明(目的を示す)

コチラの学習ページでは、「移動を示す動詞の後に修飾語句が入ると, por -i の形が使われます」と書かれている。つまり、Mi venis ĉi tien vidi vin は間違いで、Mi venis ĉi tien por vidi vin と書かなければならないということである。しかし、Ekzercaro §17 に Vi devas nur iri al la fonto ĉerpi akvon... という例文が載っている。説明される語(動詞)と説明する句(不定詞句)を離すと意味が汲み取りにくい文になるので注意が必要という程度に受け止めておいてよさそうである。

目的語や対象者の行為や状態の説明

vidi aŭdi senti imagi など知覚の意味を持つ動詞において知覚対象の動きや様子を説明

Mi vidis lin eliri el la pordo は Mi vidis lin eliranta el la pordo とも言えそうだが、2つの表現には微妙な違いがあるようだ。後者は「彼が出ていきつつあるところ見た」であるが、前者は「彼が出ていくのを見た」で、例えば誰かに「彼がどこにいるのか知らないか?」と訊かれたときに、「出て行くのを見ましたよ。今は戻って来ているのかそのまま帰ってしまったのか知りませんが...」のようなニュアンスであろう。文法的にはやはり不定詞なので分詞でなく、 Mi vidis ke li eliris el la pordo に置き換えてほぼ同じ意味を表現することができるようだ。

使役・命令・許可の意味を持つ動詞とともに

helpi, ĝeni とともに使って「〜するのを助ける」「〜するのを邪魔する」

その他の他者に影響を及ぼす動詞とともに。

3.文や節に単独で使う場合がある

上の例文では、不定詞と同格の単語もしくは不定詞によって説明される単語がない。また文や節なのに主語や主要動詞(as や is など不定詞以外の語尾を持つ動詞)がない。なぜこのような表現が可能なのかは難しく、よく理解できていない。ただし、重要なことは、1. 文や節に主語がないことと、2. 動詞に時制がないことと思われる。

1. は分詞構文などでもあり得るので、主語は主節で示されるものか、文脈から判断できるものか、もしくは不特定の人ということになりそうである。
2. は動詞に時制がないのであるから、不定詞が意味するものは時間の概念を伴う行為や状態そのものではなく、イメージとしての行為や状態を表すということになりそうである。敷衍するとその行為や状態に対する意志、可能、仮定、義務、意義、願望といった思惟活動を不定詞で表しているようである。(時制もしくは相の意味合いを持つ分詞構文と比較すると理解しやすいように思う。)
3. そして全体としてこれは省略表現だということである。つまり、非省略表現に置き換えることができるということであり、その場合不定詞は直接使うのではなく何らかの思惟や抽象性を表す表現で使うことになると言えそうである。例えば kion fari の fari は 直接 faras という行為を表す動詞に置き換えられるのではなく、faru であったり devas fari というような意志や義務といった抽象性をもった表現に置き換えられるし、kion manĝi の manĝi は povas manĝi のように可能を表す表現で置き換えられる、といった具合である。esti aŭ ne esti は devas esti aŭ ne devas esti と置き換えられるかもしれなし、 elekti は elektus のように仮定の表現に置き換えられるようである。

以上は自分の解釈である。"Detala lernu!-gramatiko" では下のように説明されている。

Iafoje oni vidas frazojn aŭ subfrazojn, en kiuj la sola verbo estas infinitivo. La infinitivo tiam sence egalas al volitivo aŭ esprimo kun povi:

場合によって、不定詞で文や従属節の中の単独の動詞が不定詞の形を採っているのを見ることができる。この時不定詞は意味上からは意志法もしくは povas 〜i と同じである。

畏れおおくも文法大家の説明を無視するかのように、誤った解釈かもしれないにも関わらず、私が意志、可能、仮定、義務、意義、願望といった思惟活動を表すための用法と言ったのは、意志法や povas 〜i の形は実際には意志・可能以外のニュアンスを表現することもあるからでもあり、また何故 〜u や 〜povas i で表現できるものを敢えて不定詞で表現するのか、その理屈を自分なりに考察したかったからである。Zamenhof 自体は例文は示してはいるが、 主語 + 〜u や 〜povas i と等価であると説明しているのかどうかは怪しいのではなかろうか?

さて、これらの原則を勘案すれば、難しい表現だが使えそうな場面も見えてきそうな気もしてくる。とはいいつつ今だによく飲み込めていない。詳しい方がおられたらご教示いただけるとありがたい。

参照

http://plaza.harmonix.ne.jp/~sakat/hinsi.htm#verbo
http://plaza.harmonix.ne.jp/~sakat/huteisi2.htm
http://www2.tokai.or.jp/esperanto/kurso/leciono14.htm
http://www2.tokai.or.jp/esperanto/kurso/leciono15.htm
http://ja.lernu.net/lernado/gramatiko/detala2/infinitivo.php
http://inme.at.webry.info/200601/article_2.html
http://bertilow.com/pmeg/gramatiko/i-verboj/aliaj_frazroloj/kun_alia_subjekto.html



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