7 新ルール試案の解説

6.1 普通例(9)

黒が277でa(77)に打着すれば白パス、更に黒パスとなって仮終局となる。以後ルールの正規の終局まで打着を進めるものとすれば、第6-2-3図の如き結果となり、白2目勝となる。

第6-2-3図(277~314)

白278 パス
黒279 パス
仮終局
(白280~白312)
黒313 パス
白314 パス(P不要)
終局

この例からもわかるように両者が誤りなく仮終局とすれば、以後は偶数コのダメが残るだけであるからそれを半数づつ打着して合意の終局として計算し得るわけである。台湾式の場合は黒277の手止りを打着して白パスをすることが必要である。従って黒277手にて完とするのが正しい(勿論ルール上はあとまで完全に打たなければならないが、省略可能という意味で)。

新ルール試案Iでは両者がこの例の奇数ダメを承知の上で白276手を以て合意の終局とすることは可能であろう。仮終局後の同数着手のためにダメの奇数偶数が問題になるのだから、もし仮終局後の打着を省略することを合意するならばダメへの打着を省略しても影響がない。従って白276手を以て合意の終局とし得るのである。すなわち日本の慣習法の終局と一致するのである。

繰返すけれども石の数を得点とする台湾式は黒277をaに打って合意の終局とすべきである。猶次のことを知って置くと便利である。

奇数路の碁盤においては終局において双方が打着し得ない空点が偶数(0を含む)の場合は黒が台湾式で手止りとなる場合は

両者の差は偶数となる。
白が手止りとなれば差は奇数となる。

また打着し得ない空点が奇数コ存在する場合は逆になり
黒の手止りのとき差は奇数となり
白の手止りのとき差は偶数となる。

終局のとき両者が共に打着できない空点とはセキに附着するダメを意味する。

従って台湾式では、黒白の手止り如何で差の奇遇が明確であるから、一方のみの計算で2目以上の計算誤りをしない限り、1目の計算違いはチェックできるわけである。

置碁の場合は置石の数が偶数石のときは先の条件が逆になることを注意する。